おいしい食品の研究
海のペプチド

水産調味料研究家(海のペプチド 開発者) 下瀬 眞一

はじめに、私どもの会社は山口県下関市にあり祖父のだいより魚の珍味をはじめとして魚類加工食品を手広く作ってきました。下関というというころは朝鮮半島に近く貿易の町でもあり、新しいことにチャレンジするという気風のある山口県でもちょっと変わった位置づけの街です。
 下関はふぐの漁港としては有名です。私の祖父はその下関で、大正9年に初めてふぐの珍味加工を始めました。
 今でこそイワシが珍重されていますが、今から22年ほど前、私が大学を卒業した当時はイワシが大量に水揚げされていました。しかし、食料にされるのはごくわずかで、大部分は飼料に回されていました。
 イワシはたいへん栄養に富む魚です。これが飼料にされているのが何とももったいなく、もっと有効に利用できないかと考えたのがエキス(天然だし)の発想でした。今はエコロリーだとか、リサイクルだとか言っていますが、当時は未利用資源の活用といっていました。用は、捨てられているものでも、かつ異様できるものは活用しようということです。
 下関というのは寄港地で新鮮なイワシがたくさん入ります。そこで、これを使ってエキスを作ってみようと考えたのです。イワシは季節によって脂肪の量が違います。冬場は約25%にも増えますが、夏場は5%ほどしかありません。それで時期的には夏場にかけてのイワシを使うことにしましが。
 また、イワシは強い酵素をもっており、油の酸化が早いので、できるだけ小さいイワシ(カタクチイワシ)を使うことにしました。これは良い煮干になります。大きなイワシ(真イワシなど)は他の魚をとって食べたりしており、これが腐って内臓がいやな臭いを発する原因にもなります。
 船が港に入ると、イワシをすぐに会社に運びます。これを大きな釜のような装置に入れて、圧力をかけて煮ます。そのとき圧力を上げたり下げたりしながら、繰り返して煮ると細胞が壊れて中のエキスが出てきます。こうして取り出したエキス汁は、牛乳のように真っ白な色をしています。原料には油の少ない小さなイワシを使っていますかが、それでも油が含まれていますから、これを1〜2日置いておくといやな臭いがしてきます。
 そこで私どもでは、これから完全に油を抜き取る独自の装置を開発しました。それは「限外濾過」といって、人間の小腸の粘膜よりもまだ微細な目の膜に、このエキスを透過させるという方法です。こうするとエキスの中に点在していた油の微粒子がきれいに除去され、黄金色の澄んだエキスになります。こうしてできたエキスは、何日置いてもいやな臭いはしません。
 そればかりでなく、たんぱく質も煮たり細かい目の膜を通過したりして、ペプチド(ペプタイド)の状態になっています。これは消化が良いばかりではなく、生活習慣病の予防効果も期待できます。また、アレルギー性がなくなっていますので、魚アレルギーの人も安心して飲んでいただけます。他にカルシウム、マグネシウム、リンなどの無機質も豊富に含んでいます。
 最後にこれを乾燥・濃縮するのですが、真空冷凍にしたり加熱乾燥したりすると成分が不活性化しますので、私のところでは逆浸透膜(RO)を使って、2,30度の低い温度で水分を抜いていきます。海水を淡水にする装置がありますが、あの装置と同じような方法です。
 「海のペプチド」には、こうして作ったイワシの出汁のほかに、同じようにして抽出したカツオや昆布、それに無臭ニンニク(後述)も加えられており、化学合成添加物は一切加えておりません。
 このようにして作った出汁は、天然のハイテク栄養補給食品であり「健康スープ」と呼んでもよいものです。

<肝臓・腎臓の働きを高める>
 例えば、以前、私の父は太っていて糖尿の毛があり、尿にタンパクと糖が降りていました。しかし父は医者嫌いで、治療を受けたことがありませんでした。私が調べたところではイワシには利尿作用があり、自分で飲んだ感じでもスポーツの後の疲れが早く回復する事がわかっていましたので、当時、完成したばかりの「海のペプチド」を父に飲ませてみることにしました。
 一日に数リットルは飲みましたが、しばらく飲んでいるとおなかの回りにブツブツがいっぱいで出てきました。また父のトイレの姿をのぞくと甘酸っぱい臭いがし、泡がいっぱい立っていました。この尿の臭いもすごい臭いに変わってきました。
 これは好転反応だといわれてそのまま飲み続けました。すると、おなかのブツブツは一ヶ月くらいで治まってきました。2〜3ヶ月もすると尿のくさい臭いもとれて、澄んだ色になってきました。それととともに体力もついてきました。父はイワシ様様で、今でも飲み続けています。
 このようにして、いろいろな効果があることがわかってきましたので、名古屋大で調べていただいたところ、イワシのペプタイド(アミノ酸が数十個つながったもの)に肝臓や腎臓の機能を高める作用があることがわかりました。つまり、この天然だしは単なるだしではなかったのです。

<赤ちゃんから老人まで>
 ふつう市販だし(エキス)を水に溶いて肌に塗るとベタベタしていますが、この天然だしは皮膚からも吸収されますから、肌がサラッとしています。それくらい吸収がいいので、消化・吸収力の弱い赤ちゃんやお年寄りでも速やかに吸収されます。
 これを風呂に入れて入浴したり、風呂上りにお湯に溶いて肌に塗ったりして、美容にもたいへん喜ばれています。



天然・美味・安全!
 「天然」というと何でもいいと皆さんは思っておられるかも知れませんが、魚のダシに関しては必ずしも天然がよいとは限りません。それは長く置いておくと油が酸化して、異臭を放つようになるからです。カツオやイワシの粉をいれたティーバッグ式のダシの素がありますが、こういうダシで作った料理は、温かいときはまだしも、料理が冷えたら、いやな臭いがしてくるはずです。
 厚生労働省の通達で、今ではダシのエキスには「天然」という文字を使ってはいけないことになっています。しかし、私は厚生省(当時)に何度も出向いて説明し、ついに「天然」と表示してもよいという許可を得ました。ですからダシのエキスで「天然」と名が付いているのは、うちの製品しかありません。
 防衛庁に備蓄されている食品は、5年間の保存に耐えなければならないことになっています。そこで防衛庁で「海のペプチド」をテストしていただいたのですが、5年経ってもまったく変化しません。加工して防腐剤などを入れて、長期保存に耐えるようにした商品はあるかも知れませんが、天然のもので5年間も変化しないダシというのは「海のペプチド」しかありません。
 このように美味しいばかりではなく、安全な商品を皆さんに提供できることは、モノを作る者にとって大きな喜びです。



 魚のペプタイド + ニンニクの効果

 最近、魚の脂肪(EPAやDHAなど)が健康によいといって話題になっていますが、「海のペプチド」には脂肪分は一切含まれていません。その代わり、魚のたんぱく質がペプタイド状態(アミノ酸が数個〜数十個つながったもの)にまで分解されていて、似たような効能があります。

@例えば、私は毎朝一袋(10グラム)を200〜250ccのお湯に溶かしてスープとして飲んでいますが、体が疲れにくく、疲れても早く回復します。「海のペプチド」には無臭ニンニクも入っていますので、これを飲んでいると体力の低下を感じません。

A最近はパソコンなどで目の疲れを訴える人が増えていますが、「海のペプチド」の効果で比較的早く確認しやすいのは目の疲れです。血中の中性脂肪値が高いという人は、@〜2週間飲んでいただくと何らかの反応が現れてくると思います。私も以前は血圧が高かったのですが、これを飲みだしてから落ちついてきました。

B米国では、ニンニクが癌予防食品のトップに挙げられているそうですが、「海のペプチド」にもニンニクが入っています。

 実は昨年、私の家内が乳がんで全摘出手術を受けました。ちょうど名古屋大学で「海のペプチド」とニンニクのテストをしてもらっていたときです。
その3年ほど前にはニンニクが抗がん剤の副作用を軽減するのに役立つという結果が出ていましたので手術の2週間前から家内に、「海のペプチド」をどんどん飲ませました。結果がよく手術後の回復が非常に早く、その後も続けている抗がん剤の副作用が極めて少ないのです。病院の先生もニンニクに注目されています。

C病気をすると、どんな病気でも食欲が低下して体力が落ちるものです。そういうとき「海のペプチド」をスープにして飲ませてあげると、胃腸の働きがよくなって体力が付いてきます。これは私自身が体験して効果を確かめています。

ベビーフードにも

私どもの「海のペプチド」には変質するようなものや、人工的な添加物は一切入っていません。この「海のペプチド」をベビーフードに使っていただいています。ベビーフードに使うには規制が厳しく、まず塩が入ってはいけません。
たんぱく質もアレルギーの原因になるので、ペプタイドの状態に入っていなければいけないなど、細かい制約があります。
 私どもでは何度も材料を煮出して、エキスを作りました。結局、イワシ、カツオ、昆布からそれぞれエキスを抽出し、それらを後で混ぜ合わせることにしました。

 最近の健康食品ブームで機能性成分を錠剤にしたりカプセルに詰めたりして売られていますが、私は食品はあくまでも食品あるいはそれに近い状態で摂ることにこだわりたいと思います。それを追求した結果が「海のペプチド」です。味は個人差があると思いますが、味噌汁や吸い物にはだいたい1袋(10g)を500〜600ccの水に溶かしてつかってください。塩は加えてありませんので適当に調味してください。健康目的で飲まれるときは一袋を200〜250ccのお湯に溶かして、1日2回(朝、晩)を目安に飲んでみて下さい。


 


ペプチドとは?
蛋白質が分解されてアミノ酸として吸収される一歩手前の分子結合のことで、様々な生理活性があります。

海のペプチド・・・ここがすごい!
・栄養バランスを崩している方に体質改善の効果が期待できます。
・激務のビジネスマンやスポーツ選手、病気療養中の方、ダイエット中の方などの活力と栄養補給に。
・カルシウムの吸収を促進しますので、お年寄りや育ち盛りのお子様にも最適です。
・離乳食にお使いいただければお子様の自然な味覚を育てます。

原材料:魚介エキス(イワシ・カツオ)、昆布エキス、無臭ニンニク、でん粉(馬鈴薯・遺伝子組み換えではない)


 

美味探求
ーーー天然だしにこだわって50年(上)

私どもは一回の魚加工を家業とするものでございます。このような高い席からお話をさせていただく立場ではありません。無学の怖いもの知らずの偶然の積み重ねが、この「天然だし」を作り上げたもので、予想もしなかった私の経験についてお話しする機会を与えれれたことを喜びとする次第です。
ありがとうございます。

さかな丸ごと

水産加工業に就くものとして、当然に魚に対しての認識は代々伝わり、受け継がれてきております。ある日、病床の父に呼ばれまして、そこに座れといわれました。
「魚一匹、丸ごとの栄養を摂れば、人生は楽しく全うできるであろうから、一生かかってやれ。わしはそれができなかった。兄貴どもは無理じゃろうが、お前なら何とかできそうだ。やってみろ。」
 結果として、これが三男である私への遺言になりました。父に託されたわけです。
 実は、魚丸ごと人間が食べるといのは夢物語なのです。だいたい魚は食べられる部分が40%、食べられない不可食部分が60%です。その今まで捨てられていた部分、つまり廃棄物を原料にして食べ物を作れということなのです。
 どうすrか。可食部分を加工する私ども水産加工業にはお手上げです。従来からの手法や考え方は全く役に立たない。廃棄物をどう食するか、この取り組み、これを調べるだけで40年を費やしてしまいました。
 魚全体を1つ1つ部位として捉えてみました。頭、目の玉、骨、内臓、肉と分けて考えてみました。部位それぞれに良さも悪さも持っている。性質も違う、固さも違う。こんなバラバラなもんが、どうして1つの商品になるのか。

*食物の起源は母乳

商品化に行き詰まりを感じました。相談しようにも相手がいない。
 考えあぐねた末、人間の成り立ち、何から始まっているかということに気がつきました。哺乳類は生まれたら乳を飲む。乳とはなんなのか。魚から乳がとれるのかとれないのか。これが最終的なテーマになりました。
 どうやって魚を乳化させるのか。 
魚の中には蛋白質と油がある。お乳はこれです。大まかに言って、これが乳の「素」になている。だから、生きられる。
 さて、魚を水と蛋白質と油に別々にするのはどうか?化学でやったら、スパッとアミノ酸と油に分けられる。だが、化学ではなく自然なやり方で分けるのは至難の技でした。先人がこの段階で何人も挫折しています。
 戦前、日本軍に進言した東大の先生がいました。千トンのカツオをそのまま輸送船で戦地に送るより、10トンの鰹節にして送るほうがよいと進言したのですが取り上げられず自殺したそうです。

*分子の世界
 化学物質はだめだ、自然のままでやれ。
表現が正しいかどうかわかりませんが、物の大きさはマクロからミクロに分けられる。従来、食品の世界ではミクロのレベルで止まっていたが、自然のままに分離するにはこの先の分子、原子の世界まで入らないといけないらしい。順序を追っていけば何かができるのではないだろうか。
 だが、当時の日本の技術では、これは不可能なこととされていました。相談に行くところもない。分子、原子とくれば弁士爆弾の世界ですよね。語学はできませんが、私は訪米しました。ペンタゴン(米国防総省)へ行き、NASA(米航空宇宙局)を訪ねました。 最初は全く相手にされませんでしたがm、一年がかりで化学ではなく「科学」で出来る可能性がわかってきました「膜分離」という考え方です。豆腐を布で包んで重しをすれば水分、つまり「透過液」が出てくるというやり方です。やっとのことで貰い受けた直径10センチ、長さ120センチの「膜」(限外濾過膜)一本を抱いて日本へ帰り着いたときのうれしさは今も忘れません。
 私が求め続けた天然だしは、この「膜」の入手によって初めて実現したといってもいいでしょう。

*食物連鎖

 ところが、魚一匹を乳化液にし清澄液にする過程で、驚いたことに分離されて出てくる物の中に夾雑物があることがわかったのです。コールタール状で、とても口に出来るものではありません。飽食の時代といわれる現在、家庭料理がおろそかにされ、電子レンジの「チン」の食事になって、こういうものが増えてきているのではないかと思います。
 私たちは食物連鎖の法則の中で生かされています。親から子、子から孫へと伝わっていく、すべての哺乳動物の先行きを見通してみて、現在の「食生活」が良い方向に向かっているとは思えません。口にしてはいけない物質が増え続け、濃縮されるであろうことの重大さ、食物連鎖の怖さを思います。
 具合が悪くなったら医者に行くのではなく、出来るだけ医者にかからないで住むように食生活を考える。私は食品加工業者として栄養源として魚丸ごと一匹を活用したようにすべての物質をエキス化してどう活用するか。医薬品に優る食品の創造を目指して行きたいのです。そこまで食品をレベルアップしなければいけないのではないかと思います。
食品の世界はいまや分子の世界に突入しています。
 ナイロンストッキングはなぜ暖かいか。それはナイロンの繊維一本一本が、中空になっているからです。いわばナイロンの繊維の束が「膜」となるわけで、魚丸ごと1匹の乳化液、つまり煎汁をこの孔に入れ、通るか通らないかでミクロと分子とに線引きするのです。 煎じ汁を工業的に取るのは真空高圧煮熟方式です。一定の温度、気圧の装置に魚を丸ごと入れると、骨からもヒレからも目玉からも煎じた汁が出てきます。その加熱蒸気を外気に放出すると爆発状態になり、真っ白な液・エキスになります。
 しかし、イワシは違います。木っ端微塵のバラバラにならない部位があります。球状蛋白質というもので、熱に強く、生命力のあるものです。細胞分裂度が高く生命力が強いという点では、カツオも昆布もしかりです。天然だしの原材料として、イワシ、カツオ、昆布を選んだ理由はそこにあります。
 学者さんによれば、人間の小腸よりも目の細かい膜を通すと、煎汁に含まれている油の微粒子がきれいに除去され、蛋白質も煮たり膜を通過させることにより、消化されやすいペプチドの状態になるのだそうです。

*自然に学ぶ

 自然界の日本の海は、まだまだきれいです。イワシ、キビナゴ、チリメンジャコが生まれ、育ち、大きな魚のえさになり、そして浄化作用があり、生態系が守られています。海洋生物のほうが陸上生物に比べ汚染されていません。養殖魚は別ですが。
 私どもでは、自然界の不可思議というものに絶えず目を光らせています。この天然だしをを生み出した一連の技術も自然の超ハイテクから学んだに過ぎません。自然界に存在している以上、自然のことが少しでも分かれば、人間が生きていることの意味、健康であることの意味が分かる。何も分からず、今の社会事情に呑み込まれてしまうことを憂えるばかりです。
 現場の者として、天然だしを作り出した者として、このことは言っておかなければならない。
 現在の食文化に問われているものに真っ向から挑戦していくことが私の義務だと思っています。自然の中の乳とはどういうものか、食物連鎖の恐ろしさとはどういうものか。私は一介の魚屋、挫折の連続でした。
が、これらのことをしかと心に刻んで、食文化への貢献度を高めていく、そういうメーカーでありたいと念じています。
 皆さんのご意見もぜひ聞かせていただいて共に歩んで行きたいと考えています。



健康美味探求
ーーー天然だしにこだわって50年(下)

 前回は製品の開発にまつわる体験と、その後の経緯の一部についてお話をさせて頂きました。その原稿を整理している最中に、狂牛病が日本でも見つかったとの報道があり、改めて食品産業の原料が、グローバルな流通機構の中で調達されている姿が白日にさらされました。
 食品の加工を家業としてきたものにとって常日頃から最も気がかりとされることが表ざたになったわけです。そこで少し筆を加えさせていただきます。
 商売はお金のやり取りが済めば一応完了します。しかし食品の場合は体内に取り入れられた時点からメーカーとしての責任が始まります。それは食べ物が口に入ってから血肉となり、遺伝子となって子孫にまで影響を及ぼすからです。
 二十世紀は世の中のすべてが産業改革を目標として進んできました。食品業界は次々と新しい食品を生み出し飽食の時代を作りました。しかし、なんでもありの飽食が生んだ経済優先の競争が際限なく続いた結果、それを口に入れた消費さhに必ずそのつけが回ってきます。
 また表示される原材料や添加物と違い、直接消費者の目には触れませんが、加工工程で使われる科学的な手法は、胃炎しに影響がないとは言い切れません。
 私どもが味覚を自然の感性にこだわり続けてきたのは、台所で母親がコトコトと作る日常的な家庭の味を応援することが目的でして、その「美味」を追求して家業を推進して参りました。
 野生の動物は味覚が研ぎ澄まされていて舌で食物を選別することにより身体の健康を守っています。味覚が本来の機能を失うことには、身体のバランスを維持する能力、ひいては健康を失うことなのです。
 社会不安を引き起こした今回の事件は、食品産業が食物連鎖を人為的に犯す巨大なシステムの中に飲み込まれた安全基準の制度のホコロビだったわけです。

   自然の仕組みは偉大な科学

 少し専門的となり企業機密にもかかわりますのでためらってきましたが、昨今の社会的な状況にてらして、製造工程の考え方やその一部を述べることにします。
 天然ダシの開発は親父の遺言だけが唯一のヒントで、教えを請う相手も手掛かりもありませんでした。もともと目に付く不可思議の謎解きに興味がありました。仕事がら魚とは毎日顔をつき合わせていたのですが、何のヒントも得られません。
 考えあぐねてよく海へ船を漕ぎ出し釣り糸を垂れたものです。50尋〜100尋の深海の魚を狙って釣り糸を垂らし、手ごたえがあり手繰り寄せ、深海から魚を急浮上させますと、目玉や内臓が口から飛び出します。この経験が「圧力」を応用することにつながりました。
 滝の落下による飛沫と深山のカスミたなびくモヤから「暴瀑」(水中で粉砕抽出)の方法を工夫することに成りました。
 京都の一流料亭にお願いして、一日中調理の現場を拝見させていただきました。その現場でダシを取る一部始終をつぶさに拝見して、ダシを取る手間と、料理の要としてダシがいかに重要かを思い知らされました。ガーゼを20〜30枚と重ねて濾し、透明度のある出汁を求めるご苦労は、化学手法を使わずには不可能とされていた「脱油(脂肪)」の方法を考えるヒントとなり、前回お話したアメリカの国防省に「限外濾過膜」を求める動機となりました。
 また母親の血液=赤い色が、乳首を通過することにより乳白色になる不可思議に思いを寄せることになり、そこに研究の要があると信ずるに至りました。それはどうやら人間を含む哺乳動物の生命体を維持する仕組みと、栄養の源に行き着いたのではないかと考えられる事柄でした。
 私は十九歳の時、当時としては最年少で杜氏の免許を取得しました。その知識が製造工程で出る残渣や老廃物を、完全飼料として処理し投餌して土に返す「醗酵技術」の開発につながりました。
 これら数々のヒントと約40年間の時間の積み重ねによる異例の製造工程の仕組みは、すべて無駄の無い自然と共生するシステムです。開発着手以来すでに五十年を経過しますが、現在も食品加工技術としては最先端の技術と評価されています。
 
          ペンタゴンからの電話
 ある日、アメリカのペンタゴン(国防総省)から私共に電話がかかってきました。英語も話せないしと戸惑いながらも電話に出てみると相手は日本人でした。
 「私は今新しい技術をもってペンタゴンに来ている。貴方のことを聞いた。日本は新しい発想や技術・製品に対しての評価の素地が全くない。坂の加工にNASA(米航空宇宙局)の先端技術を求められた貴方の発想は日本では馴染まない。日本で勝負すると潰されるばかりだ。私は今アメリカで勝負を賭けている。アメリカに来ないか」とのお誘いでした。
 その時は、私も会社が大変な時でもあり、金もないし、家業に対してのこだわりもあり、お断りした思い出があります。その方はいま、日本を越えて世界人としての大きな夢と情熱を地球レベルで発信されてご活躍されておられます。
 今、やっとペプチドという言葉が「特定保健用食品」として登場してきましたが、私共の製品が完成した段階では、ペプチドは食品として全く馴染みのない未知のものでした。どうやらいま迄に無いものを作ってしまったようで、皆様のご質問は私ども魚屋の知識では手に余るものばかりでした。
 
 人体の消化器内の再現

多分まだお元気だと思いますが、ある時、九州のさる高名な医学者の方が工場に来られました。魚の加工工場としては異様な高さ20メートルを越すパイプラインが林立する工場の中を熱心に見て回られて、私に向かって「貴方は人体の食物の消化工程を再現された」と言われました。その方は五字分で顕微鏡を求められて私共の製品を盛んに研究しておられましたが、とうとうサジを投げられた様です。
 実は私共の製品につきましてはそれまでにも、多くの大学や研究機関が尋ねて議論を重ねて来ました。杜氏は食物の栄養を魚屋の加工技術で、遺伝子や分子にまで踏み込むレベルに至っておらず、ある教授から「貴方の疑問に答えるには約20年の時間と、それに伴う研究費用が必要です。その予算はどなたが負担されるのですが?」と言われ私共が退散したことがありました。そのことを思い合わせると無理もないと思いました。
 よく熱心な方がペプチドとしての分析証明を求めてこられます。ある方がその道の専門家に私共の製品の分析について尋ねられたそうです。
 専門家の答えは「医薬品としてやられるならともかく、7〜8千万円から1億円くらいかかるでしょう。通常の分析センターでは無理です。何しろ時間と手間が掛かるので引き受け手があるかどうか?それよりペプチドがこんなに美味しいのだから、本来の食品として<美味しい>でいいのではありませんか?」と言われ、以来、私どものよい理解者となってくれています。ペプチドにつきましては「限外濾過膜」の現物見本を営業プロジェクトの潟rーバンに預けてありますのでお問い合わせください。

 開発から倒産まで25〜6億円くらいの商売をさせていただきましたので、倒産により多くの方々にご迷惑をお掛けしてしまいました。一部には品質的に問題があるごとく風評も流されました。しかし今でも胸をはって品質につきましては職人としての面目に恥じないつもりです。

    ターンオーバー
いま美容業界では「ターンオーバー」が注目されています。体中の細胞や血液など皮膚や内臓も含めて、それぞれが一定の周期で更新(新陳代謝)を重ねて寿命と付き合っているわけです。その代謝をいかにスムーズにするかという考え方です。
 通常、皮膚は28日でターンオーバーするとされ、皮膚は内臓の中でも特に超の鏡ともいわれます。毎朝、鏡をのぞいたら貴方の超の中をのぞいていると思って、お肌の美容を大切にしてください。鳥は「フンづまり」と言って便秘しますとすぐ死んでしまいます。
天然だしは単なる栄養素として利用される以外に、代謝活性作用がありますので腸内や皮膚の元気を応援してくれます。当製品をご利用いただいた中で、うれしいお便りがありますので一例をご紹介させていただきます。
 その方は87歳のお年寄りでした。社会的に立派な業績を残された方で、病床の中でご本人も覚悟を決められたのか、ある時点より薬を拒んで飲まれなくなったそうです。健康食品のたぐいも一切受け付けなくなってしまいました。お見舞いの方も多く鼻から管を入れることだけは出来るだけ避けたいとのご家族の願いでした。それが、天然だしを吸い口で口に含ませると飲み込み、すっかり気に入られました。お亡くなりになるまで天然だしを楽しみにされていたそうです。
 この話を聞かせてくれた方が、ある機会に医学の大家にこのお話をしたところ、天然だしの原料を尋ねられて、「それはその方の遺伝子に逆らわなかったからではないでしょうか」と話されたそうです。
 食療内科の先生にお会いした折、「お年寄りや病人に安心して飲んでいただける飲料が少なくて困る」と話されていました。高齢化社会に向かって安全で美味しく体にやさしい飲料として育ってくれれば良いと思っています。お蔭様で人間医学社さんでも天然だしが好評と承っております。
 今後ともどうぞよろしくご愛用お願い申し上げます。ありがとうございました。



海のペプチド

この製品『海のペプチド』を開発したのは下関の「魚水」というフグ屋さんです。
「一尾の魚をまるごと食べたら天寿を全うすることが出来る全栄養がある。一尾を丸ごと利用する、それがお前の仕事だ」。昭和23年、父親の遺言を守って2代目(下瀬 輝麿)が始めた試行錯誤が「海のペプチド」の原点でした。

脂肪分とタンパク質を化学処理せずに分離すること、低分子(ペプチド)化すること、そして製造過程で廃棄物や汚染水などを出さないこと。公害という言葉すらなかった当時、最先端のこうした発想の実現は困難を極めました。納得いく製品の完成は昭和62年、実に40年がかりの開発でした。

イワシ、カツオ、昆布のエキスは脂肪分が取り除かれ、たん白質がアミノ酸として吸収される一歩手前の分子結合の状態(ペプチド)にまで分解されているので消化がよい。生活習慣病・アレルギーなどに予防や治療効果が期待できる。
自信の製品は出来上がったものの、当時はまだ社会的な理解は得られず、膨れ上がった開発費の負担に耐えられず2年後、会社倒産の憂き目を見ました。

一切の科学添加物を排した加工技術のオリジナル性、その比類なき真価をもう一度世に問うてみたい。「このたんぱく源に薬効万能のニンニクをプラスしたら」。ひらめいた発想。フグ屋が即ニンニク栽培を始め、ついには自前で無臭ニンニクの栽培に成功。揮発性の有効成分をも「海のペプチド」に封じ込めることに成功しました。
日常的な食品として、リーズナブルな価格で、より多くの方にご利用いただけないか。
「一尾の魚を丸ごと無駄なく」という開発者の熱い思いは今も変わっていません。

私たちは”フグ屋の夢”を実現させるためにプロジェクトを作りました。
優れた製品の価値を「時代」が今度はきっと再発見してくれると信じて。

***「海のペプチド」について私たちのこだわり***
1)天然素材で無添加。自然な美味しさ。手軽に使えて、安全性が高い。
2)和・洋・中華料理などのだし・調味料として幅広く使える。冷めても再加熱しても味が変わらない。透明でくせがない。あきがこない。
3)お湯を注ぐだけで、お茶がわり・栄養スープとして飲める。
4)たんぱく質アレルギーの方にもたんぱく質供給源としてご利用いただける。
5)乳幼児食、医療食や療養食に、吸収性に優れた栄養補給源として。また、スポーツ時のドリンクにもなる。
6)脂質が少なく、酸化しにくいので保存性が高く取り扱いが簡単。






野菜・果物などの食材の農薬除去&除菌剤『フレッシュキープ』